神社仏閣
◇伊勢神宮の摂社・末社
125の宮社から成り立つ伊勢の神宮。天照大御神(あまてらすおおみかみ)をまつる内宮と、豊受大御神(とようけのおおみかみ)をまつる外宮の2宮の正宮以下、別宮14宮、摂社43社、末社24社、所管社42社が存在します。摂社とは平安時代成立の国家法令「延喜式神名帳」(えんぎしきじんみょうちょう)に記載された神社のことをいい、末社は神宮で最も古い記録書の「延暦儀式帳」(えんりゃくぎしきちょう)に載せられた神社を指します。
◇伊勢神宮と玉城町
玉城町は古代から伊勢神宮と深い関わりがある町。町内には摂社10社(内御同座2社)と末社3社の計13社が鎮座しています。そのいくつかは御杖代(みつえしろ)として天照大神を伊勢に導き、神宮を創始した倭姫命(やまとひめのみこと)がご巡幸の途中に定めたものです。また玉城町は、内宮の神主を務めた荒木田氏が原野を開拓して暮らした土地でもありました。荒木田氏を通して内宮との繋がりが生まれ、町内の摂社・末社は全て内宮に所属をしています。
◇摂社
朽羅神社(くちらじんじゃ)鴨神社(かもじんじゃ)蚊野神社(かのじんじゃ)蚊野御前神社(かのみまえじんじゃ)田乃家神社(たのえじんじゃ)田乃家御前神社(たのえみまえじんじゃ)奈良波良神社(ならはらじんじゃ)棒原神社(すぎはらじんじゃ)狭田国生神社(さたくなりじんじゃ)坂手国生神社(さかてくなりじんじゃ)
◇末社
津布良神社(つぶらじんじゃ)鴨下神社(かもしもじんじゃ)小社神社(おごそじんじゃ)
◇田丸神社
菅原道真公をはじめ20柱の神様がまつられ、地元内外より広く信仰を集めています。本殿前には、天地を貫くヒノキの大木の御神木があり、古くはエノキの御神木に降雨止雨の祈願をする農耕の神でもありました。天神信仰のもと、現在は学業成就、厄災除、病気平癒などの参拝が絶えません。
●願かけなで牛
願かけなで牛をなでると、学問向上、身体健全、家運隆昌の願いが叶うといわれています。天神様の使いだった牛が、人々の願いを天神様に運んでくれます。
●筆塚
小さくなった鉛筆や傷んで書けなくなった筆を、捨てずにこれまでの感謝を込めて筆塚に納め、学問成就や書道の上達を祈願します。
●たまる石・祓石
たまる石は願いを託した串を捧げると福がたまると
されており、祓石(はらえいし)はなでると穢れを
祓うことができるといわれています。
●大祭
毎年秋と春に行われる大祭。秋には天神神輿が町内の氏子たちにより担がれ、町々を渡御します。春には御獅子に頭をかんでもらうと病気にならない、といわれる獅子頭厄払い神事があります。
三重県度会郡玉城町下田辺1041
☎0596-58-4007
駐車場 有
◇幸神社
約300年前、ヒノキの老樹の元に猿田彦大神としてほこらをまつったことが神社のはじまりです。当時は神様を“サエ(境塞)の神”と呼んでいましたが、後に“サイの神”といい換えられ、現在の“さいのかみ(幸神社)”になったとされています。名前に“幸”が付く珍しい神社として、幸せを求め、また子授け、安産、厄除け祈願などに多くの参拝客が訪れています。森に囲まれた小高い丘の上にあり、いくつもの白い鳥居の先に石段が続きます。上がった先には真っ直ぐに伸びた2本の木が社殿を守っているかのように立ち、神聖な空間をつくり出しています。
●瘧神(おこりがみ)
社殿の隣にある瘧神(おこりがみ)は、古くに土の中から掘り起こされたと伝えられている大きな岩をまつり、子どもの引き付け、寝小便、熱病などにご利益があるとされています。
●大祭
3月の初申の日に行われる一年で最も大きな行事であり、なかでも見所は御本尊のご開帳です。繁栄、安泰など1年の無事を願います。屋台も並び、毎年大勢の人で賑わいをみせます。
◆中央構造線上にある幸神社
九州から関東にかけ、日本をほぼ半分の形に分ける中央構造線。この構造線は、日本の国土ができる際に2つの大陸がぶつかりあった場所で、三重県では伊勢神宮の外宮や夫婦岩の上を通り、そのまま玉城町の幸神社の付近を通過しています。
三重県度会郡玉城町積良162
☎0596-58-3983
駐車場 有
◇東外城田神社
外城田小学校の隣に位置し、本殿を囲うように続く参道には、いくつもの鳥居が並んでいます。成人祭、夏祭、例大祭など、一年を通してさまざまな行事が行われています。
●えんむすびの神
神社が鎮座された頃、周辺一帯が松や檜の混有林であり、蚊野松原と称し和歌山別街道(熊野街道)に沿い古来「縁結びの松」の名所でありました。その名残を受け、神社境内にえんむすびの神がまつられています。
●例大祭
12月10日に行われる例大祭では、神社の創建を祝福し、五穀豊穣・地域の繁栄と安泰・氏子の慶福が祈願されます。付近にある保育所の園児たちをはじめ、多くの参拝客が訪れます。
三重県度会郡玉城町蚊野2218-2
☎0596-58-4153
駐車場 有
◇千引神社
「ちびきさん」と親しまれ、子授け・安産・学業成就などのご利益があるといわれています。千人で引いても動かないほど大きい千引岩が、約550年前から神様としてまつられています。また境内には樹齢100年を越える藤棚があり、毎年4月には見事な藤の花が咲き誇ります。毎月20日の祭日には社務所が開かれ、お守りを授かったり、絵馬を奉納することができます。
●大祭
2月と9月の20日に行われる大祭には、近隣や遠方からも参拝客が訪れ、餅まきも行われます。
三重県度会郡玉城町久保197
駐車場 有
◇乳の宮
お乳が出なくて困った妻のために、夫が楠の木に祈りを捧げたところ、お乳が出るようになったという昔話が残る神社。その昔話から“乳の宮”と呼ばれ、お乳が出なくて困った母親達がお参りに訪れるようになりました。現在も静かな森のなかに、ご神木の楠の木がまつられています。乳の宮へ向かう途中には、高速道路下に進入禁止の札がかけられています。参拝の際には札を外して入り、帰る時に札を元に戻してください。
三重県度会郡玉城町積良
駐車場 無
◇富向山 田宮寺
内宮の神主を務めた荒木田氏が、天照大神にお経を捧げるために建立したと伝わるお寺。かつては田宮寺神社の敷地が、田宮寺の本堂がある場所で、天照大神の「古御船代」が置かれました。国の重要文化財である、本尊十一面観世音菩薩は2月と8月に御開帳されます。
2月18日、8月9日 午前9時~午後3時
この2日間はどなたでも無料で拝観できます。
三重県度会郡玉城町田宮寺322
◇壽瀧山 山田寺
臨済宗南禅寺派、金剛證寺の末寺で、弘治元年(1555年)から厄除け神事がはじまったと伝えられています。寛文二年(1662年)に再建後、獅子堂が建てられ、雌雄一対の獅子頭が納められています。
●山神獅子舞神事
毎年1月の最終日曜日に行われ、県の民俗文化財にも指定されています。天狗と獅子が舞を披露し、天狗に松ぼっくりを投げて厄を払います。
三重県度会郡玉城町山神271
☎0596-58-4163
◇神照山 廣泰寺
室町時代に開かれた曹洞宗の古刹。身体と心を整える(坐禅)体験が受けられます。元禄七年(1694年)建立の山門は玉城町指定文化財。お寺の庭には四季折々の花木が季節を彩り、特に秋の紅葉は有名です。
三重県度会郡玉城町宮古1277
☎0596-58-2423